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平成24年6月13日

不妊治療によって先天性欠損率は異なる

不妊に悩む夫婦が増加している現在、注目されるのが体外受精などの生殖医療ですが、治療を受けることにより生まれてくる子供に先天異常のリスクが増加するとの報告があり、気になるところです。


「先天性欠損」は、特定の不妊症治療後に多くみられます。
この関係について、オーストラリア・アデレード大学ロビンソン研究所准教授のMichael J. Davis氏らは、生殖医療のタイプ別に先天異常との関連を非補助妊娠の場合と比べて調査しました。
その結果、体外受精では先天異常の有意な増加は認められず、顕微授精では増加が認められたと、5月5日付の米医学誌「New England Journal of Medicine」オンライン版で発表しました。


・ART群の先天性欠損リスクは8.3%(非補助妊娠群では5.8%)
・欠損には、口蓋裂、心臓奇形、消化管奇形、食道奇形
・体外受精(IVF)における先天性欠損リスクは7.2%
・卵細胞質内精子注入法(ICSI)では9.9%
・排卵刺激のため自宅でクエン酸クロミフェンを用いていた女性では先天性欠損リスクが3倍


※ 米ノースショア大学病院のAvner Hershlag博士は、「ARTを用いた場合に先天性欠損児が生まれるリスクは、用いない場合に比べ2.5%のみ高かった。年齢などの因子を考慮すれば、IVFによるリスク増大はない。
これは患者にとって良いニュースである。体外受精児の90%超は正常であり、欠損の多くは非常に軽微で治療可能である」と述べています。


※ 米国生殖医療補助委員会委員長のGlenn Schattman氏は、「ICSIを行わずIVFで受胎した小児の調整後のオッズ比では、先天性欠損に有意差を認めず、凍結受精卵を用いた場合は自然に受精した場合に比べ先天性欠損のリスクが高くない」と述べています。

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平成24年4月29日

脂肪多い食事は精液の質を低下させる…?

3月13日付の欧州医学誌「Human Reproduction」(電子版)に、男性の不妊症に関連する発表がありました。


米マサチューセッツ総合病院のJill A. Attaman氏らが行った予備的な研究で、同院の不妊治療センターを受診した男性を対象に食事の脂肪量調査を実施。その結果、食事の脂肪量が少ない人に比べ、脂肪量が多い人では精子の数が43%減少するなど、精液の質の低下が見られた。という内容です。


オメガ3脂肪酸が多いと正常な精子の割合が高い・・・

Attaman氏らは2006年12月〜2010年8月にマサチューセッツ総合病院不妊治療センターを受診した男性のうち、無精子症などを除き、精管切除術を受けていない99人(平均年齢36.4歳)を対象に予備的研究を実施。

摂取カロリーに占める脂肪の割合によって3群に分けて検討したところ、最も高かったグループ(平均脂肪摂取率37%)は、最も低かったグループ(同26%)に比べて総精子数が43%、精子濃度が38%それぞれ低下を示した。

一方、ドコサヘキサエン酸(DHA)などのオメガ3脂肪酸が摂取カロリーに占める割合によって3群に分けて検討したところ、最も低かったグループ(平均オメガ3脂肪酸摂取率0.4%)に対して最も高かったグループ(同0.7%)では、精子の形が正常な割合が1.9%高かった。


※『オメガ3脂肪酸』とは・・・
イワシやサバなどの青魚に含まれるDHA・EPA、植物油ではα-リノレン酸がオメガ3脂肪酸に分類されます。
青魚をはじめ、えごま油、シソ油、亜麻仁油、くるみなどの食品から摂取することができ、DHA・EPAはα-リノレン酸から体内でも合成されます。


【追記】

今回の発表は予備的研究によるもので、今後更なる研究の必要性がある。とあります。

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