最近の話題
平成21年10月10日

子宮頸がんの「予防ワクチン」がようやく承認されました。


「厚生労働省の薬事・食品衛生審議会の薬事分科会にて、子宮頸がんを予防するワクチン 「サーバリックス」(グラクソ・スミスクライン社)の製造販売が承認されました。
子宮頸がんの主な原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)のうち、7割を占める 2種類のウイルス(16型、18型)の感染を防ぐことが期待されています。

「サーバリックス」は、すでに世界98カ国で承認されており、接種したほぼ100%の女性がHPV16型と18型のタイプに対して強い免疫応答を示し、5年半以上の間持続したとする米国癌学会(AACR)の報告もあります。

※ 接種の対象は10歳以上の女性で、1クールで3回の接種が必要。
※ 費用については3〜4万円程度(全額自己負担)になると考えられます。
※ ワクチン接種による効果の持続期間は、6〜7年程度。

グラクソ・スミスクライン社では、年内にも販売を開始する計画です。

子宮頸がんは早期発見が容易ながんですが、残念ながら毎年多くの方がこの病気によって命を落としています。
「予防ワクチン」の利用、定期的な子宮がん検診の受診をお薦めします。

■ 子宮頸がんに関する情報は…

国立がんセンター がん対策情報センター「子宮頸がん」 特定非営利活動法人 子宮頸がんを考える市民の会「オレンジクローバー」
上へ
平成21年8月7日

妊娠中は特に「新型インフルエンザ」に対して注意が必要です。


「妊娠している女性は新型インフルエンザで死亡する危険が高い」という報告が、先日、米疾病対策センター(CDC)より発表されました。
ヨーロッパでも「妊婦の重症化」に関する報告がされており、厚生労働省が出している妊娠・授乳婦対象の「感染に対する対応Q&A」でも6/19付けで記載内容の改訂がありました。

厚労省 「感染に対する対応Q&A」(PDF)

CDCの発表では、4月中旬〜6月中旬までの2ヶ月間に米国で新型インフルエンザにより死亡した人数は45人。そのうち6人が特に持病のない健康な妊婦でした。
妊娠期間中の身体は通常時とは異なり、そのことが死亡リスクを高める要因では・・・と考えられています。

今後の流行を考慮して、個々の注意と万全の対策が必要です。
薬局やショッピングセンターなどで“普通に”マスクが購入できる今、少しずつでも準備をしておくことをお薦めします。

もしも・・・の時に慌てないために。

上へ
平成21年7月4日

男性は自転車に乗り過ぎない方がよい?
   ・・・ 週に300キロ以上走行すると、正常な精子が減少すると警告。


メタボ対策やストレス解消など、最近は「自転車通勤」がブームになっていますが、第25回欧州ヒト生殖学会議ではちょっと気になる発表がありました。
それは、コルドバ医大(スペイン)のディアナ・ファーモンデ教授らの「日常的に長距離のサイクリングをしている男性は不妊リスクが高まる」というもの。
同教授らによると、週300キロ以上走行している男性の集団では、正常な精子の数が減少していたということです。

この研究の対象となったのは、国際的に活躍するトライアスロンの選手15人。
3日間の節制を依頼し、精子を採取。各選手のトレーニング方法を分析したうえで、その影響を調べた結果、自転車に乗っている時間が長いほど異常な精子の割合が高い傾向にあり、週185マイル(約298キロ)、1日に約25マイル(約40キロ)以上の自転車トレーニングを行っている選手では、正常な精子の割合が4%以下であることが分かったとあります。

自転車と性機能障害に関する研究結果は今までにも数件報告されていますが、いずれもサドル先端部分による“圧迫”が原因とされ、先端部分を無くすなど、サドルを改良することで勃起機能が向上することも報告されています。

バーモンド教授らによると・・・
 1. サドルによる圧迫と摩擦
 2. 肌に密着したトレーニングウェアによる体温上昇
 3. 運動によるストレス

の3要因が精巣への障害や精子の酸化性損傷を引き起こすと考えられ、ランニングと水泳のトレーニングでは、正常な精子減少との相関関係が見られませんでした。

この研究発表に対し、「ストレス解消にサイクリングは重要」としたうえで、「自転車に乗る男性が、乗らない男性よりも生殖能力が低いとする根拠はない」との反論もあります。

「過ぎたるは及ばざるがごとし」 ということでは。。。

上へ
平成21年6月14日

女性特有のがん検診推進事業として、無料クーポンを配布【厚生労働省】

厚生労働省は今年度に全国の対象年齢(がんが見つかる可能性が高いとされる年齢層)の女性約760万人に無料で検診が受けられる「クーポン券」を配布します。

検診の対象は、子宮頸ガンと乳ガン。
いずれも早期に発見されれば完治率は高いのですが、がん検診の受診率は約20%と伸び悩んでいるのが現状です。
( 国の「がん対策推進基本計画」はがん検診受診率の目標は50%以上。)

なお、配布の対象は、
子宮頸がん・・・昨年4月2日から今年4月1日までに20、25、30、35、40歳になった400万人。
乳がん  ・・・昨年4月2日から今年4月1日までに40、45、50、55、60歳になった約450万人。
なお、40歳の91万人は両方の検診対象。

クーポン券は全国の検診機関で使えます。(有効期間は6か月)
配布時期については各自治体によって異なりますが、早い自治体では夏頃までに送付される見通しで、がんについての基本的な知識や検診の内容などが記載された「検診手帳」とともに配布される予定です。

※ クーポン券の譲渡・売買はできません。

【参考】
厚労省HP(女性特有のがん検診推進事業について)は、こちらです。

追記
今回のクーポン配布については様々なご意見が出ているようですが、対象となられた方は折角ですので、この機会に検診を受けるようしましょう。
検診は本来、自分自身の身体を守るためのものですので、今回対象から外れた方も年1回程度は検診を受けられることをお薦めします。

上へ
平成21年5月21日

エストロゲン(女性ホルモン)に記憶力改善効果・・・

エストロゲンには
○ 子宮内膜を増殖させて、妊娠の準備をする。
○ コラーゲンの合成を促進し、柔軟で艶のあるみずみずしい肌を保つ。
○ HDL(善玉)コレステロールを増やし、LDL(悪玉)コレステロールを減らす。
○ 破骨細胞に作用して骨からのカルシウムの流出を最小限に抑え、骨の健康状態を維持する。

など、女性にとって大切な役割をはたしていることはすでに知られていますが、これ加えて「記憶力の改善にも効果がある」というマウス実験による研究結果が先日、理研脳科学総合研究センターから発表されました。

研究では、遺伝子操作によって脳の血流量が減少するマウスを作り観察。
脳の血液循環が低下すると、脳梗塞などの症状がなくても脳細胞の膨張などが引き起こされ、学習能力が低下する傾向が表れましたが、これはオスのマウスのみに見られたため、研究班は性差に着目。エストロゲン(女性ホルモン)の関連性を調べ、脳循環障害のあるオスにエストロゲンを投与したところ、脳細胞の膨張などが回復し、学習能力が改善したことがわかったということです。

エストロゲンの記憶力改善効果については以前から研究者の間で指摘され、研究されていました。実際にエストロゲンによる効果と考えられる報告例もあります。

追記〜 エストロゲンを男性へ多量に投与することは「女性化」を起こすことが判っています。
また、女性に対してもエストロゲンのみの投与では子宮体ガンの発症リスクが高まることが判っており、現在行われているホルモン補充療法ではプロゲステロンとの併用が一般的です。

上へ
平成21年3月25日

男性不妊は精巣ガンの発症リスクに関連がある?

不妊に悩む男性(不妊の要因が男性側にあるケース)は精巣ガンになる確率が高い。という内容の報告が米国の研究グループより発表されました。

この研究では1967〜1998年に不妊治療を受けた男性 約2万2,500人のデータをもとに、その後のガン登録データを調べています。
検証の結果、34人の男性が受診から1年以内に精巣ガンを発症していたことが判明。
この結果、自らに不妊の要因がある男性は同年代の一般男性群に比べ、精巣ガンを発症するリスクが2.8倍であるとしています。

この研究では「男性不妊に関する治療行為」が精巣ガンを引き起こす可能性についても検討していますが、その可能性は全くないとの結論に至っています。

精巣ガンは先進工業国の若年男性に最も多くみられるガンで、近年さらに増加の傾向にあります。これと同様に「精液の質」および「男性の妊孕性の低下」も工業先進国では増加していることから、「不妊と精巣癌の根底に共通する曝露因子があるとの説明が妥当だろう」とThomas J. Walsh博士らは述べています。

共通する原因として考えられることには、環境因子やDNA修復欠陥(小領域の遺伝物質の損傷に対する生体反応の誤差)などがあります。

上へ