婦人科で使われるお薬について

抗生剤・抗菌剤
よく使われる表現…「菌の繁殖を抑える薬」

ペニシリン系抗生剤
多種の細菌に対して有効です。産婦人科では手術後や分娩後などにも使われます。
妊娠中にGBS(B群溶連菌)が検出された妊婦さんには、赤ちゃんへの感染(肺炎や髄膜炎などの重い感染症をおこすことがあります。)の予防を目的として、陣痛がはじまったり、破水したときにペニシリン系の抗生剤を用います。

【製品名】 サワシリン (アステラス)  剤形(カプセル)

一般名アモキシシリン・カプセル
識別コード(包装)・・・(本体)サワシリン:250@

【禁忌】:(以下に該当する方は、使用してはいけません)

  1. 本剤の成分によるショックの既往歴のある患者
  2. 伝染性単核症の患者
    [発疹の発現頻度を高める恐れがある]

(原則禁忌)
本剤の成分又はペニシリン系抗生物質に対し、過敏症の既往歴のある患者

【副作用】

ペニシリン剤に共通の副作用として、ペニシリン過敏症が起こることがあり、ごくまれにショックのような激しい過敏症を起こし、生命が危険になることもあります。そのほか、下痢、食欲不振などが起こることがあります。

【注意】:(妊婦・産婦・授乳婦等への使用)

  1. 妊婦等:妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用します。
    [妊娠中の投与に関する安全性は確立していない、なお、動物試験(ラット)において、アモキシシリン(500mg/kg/日)、クラリスロマイシン(160mg/kg日)及びランソプラゾール(50mg/kg/日)を併用投与すると、母動物での毒性増強とともに胎仔発育抑制増強が認められている]
  2. 授乳婦:授乳中の婦人への使用は避けることが望ましいが、やむを得ず使用する場合は授乳を中止しましょう。
    [母乳中へ移行することが報告されている]

セフェム系抗生剤

多種の細菌に対して効果が認められ、産婦人科では最も使用頻度の高い抗生剤です。ただし、クラミジア感染症には無効です。

【製品名】 ケフラール (塩野義)  剤形(カプセル)

一般名セファクロル・カプセル
識別コード(包装)@250@:@3061 @250@(本体)@3061

【禁忌】:(以下に該当する方は、使用してはいけません)

  1. 本剤の成分によるショックの既往歴のある患者

(原則禁忌)
本剤の成分又はセフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者。

【副作用】

発疹、じんま疹などの過敏症状が起こることがあります。ペニシリン系の抗生物質に過敏な人は、この薬でも過敏症が発生する可能性があるので、わかっていたらあらかじめ医師に伝えてください。そのほか下痢、吐き気、胸やけなどが起こることがあります。また、肝臓に影響を与えたり、血液障害を起こしたりすることがあります。まれにショック、肝障害、重篤な皮膚障害などの重い過敏症の症状の報告もあります。

【注意】:(妊婦・産婦・授乳婦等への使用)

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用します。
    [妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]
  2. 授乳中の婦人には使用を避けることが望ましいが、やむを得ず使用する場合は授乳は中止しましょう。
    [ヒト母乳中へ移行することが報告されている]

テトラサイクリン系抗生剤

多種の細菌に対して効果が認められるので、比較的使用頻度の高い薬です。
また、クラミジア、リケッチア、マイコプラズマなどの微生物にも有効です。産婦人科では、クラミジア感染症や骨盤内感染症などに対して使用されます。

【製品名】 ミノマイシン (ワイス)  剤形(錠)

一般名塩酸ミノサイクリン錠
識別コード(包装)@315 50mg:50mg(本体)@ 315

【禁忌】:(以下に該当する方は、使用してはいけません)

  1. テトラサイクリン系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者

【副作用】

内服は食欲不振、吐き気、光線過敏症、倦怠感などが起こることがあります。まれに腎障害、ときに血液障害、けいれん、意識障害もあります。また、乳幼児では、歯の着色などの副作用が出ることがあります。なお、耳鳴りがしたら医師に相談しましょう。軟膏は塗った部分に痛みを感じることがあります。

【注意】:(妊婦・産婦・授乳婦等への使用)

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用します。
    [胎児に一過性の骨発育不全、歯牙着色・エナメル質形成不全を起こすことがあり、また、動物実験(ラット)で胎仔毒性が認められている]
  2. 授乳中の婦人には使用しないことが望ましいが、やむを得ず使用する場合には授乳は中止しましょう。
    [母乳中へ移行することが報告されている]
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【製品名】 ビブラマイシン (ファイザー)  剤形(錠)

一般名塩酸ドキシサイクリン錠
識別コード(包装)@ VBM50:50mg(本体)PT 096

【禁忌】:(以下に該当する方は、使用してはいけません)

  1. 本剤の成分又はテトラサイクリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者

【副作用】

内服は食欲不振、吐き気、光線過敏症、倦怠感などが起こることがあります。まれに腎障害、ときに血液障害、けいれん、意識障害もあります。また、乳幼児では、歯の着色などの副作用が出ることがあります。

【注意】:(妊婦・産婦・授乳婦等への使用)

  1. 妊娠後半期の使用により、胎児に一過性の骨発育不全、歯牙着色・エナメル質形成不全を起こすことがあり、また、動物実験で胎仔毒性が認められているので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用します。
  2. 母乳中へ移行することが報告されているので、授乳中の婦人には使用しないことが望ましいが、使用する場合には授乳は中止しましょう。

マクロライド系抗生剤

産婦人科ではクラミジア感染症に対してよく使います。基本的には、妊娠中でも安心して使用できるものと考えられています。一般ではマイコプラズマ肺炎などでよく使われる薬です。

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【製品名】 クラリス (大正製薬)  剤形(錠)

一般名クラリスロマイシン錠
識別コード(包装)T18 @ 200mg:T18 200mg(本体)T 18

【禁忌】:(以下に該当する方は、使用してはいけません)

  1. 本剤に対して過敏症の既往歴のある患者
  2. ピモジド投与中、エルゴタミン含有製剤投与中、シサプリド投与中の患者

【副作用】

一般的には食欲不振、腹部膨満感、腹痛、下痢などですが、まれに発疹や血小板の減少、骨髄障害、溶血性貧血、けいれん、急性腎不全、間質性肺炎や皮膚粘膜眼症候群などの重篤な副作用も報告されています。マクロライド系抗生物質は、一部の薬の作用を増強させ、その結果不整脈を起こすおそれがありますので、服用中のお薬がある場合には必ず担当の医師に相談しましょう。妊婦への安全性は確立されていないので、妊娠中やあるいは可能性のある婦人の使用には注意を必要です。

【注意】:(妊婦・産婦・授乳婦等への使用)

  1. 動物実験で、母動物に毒性が現れる高用量において、胎仔毒性(胎仔心血管系異常、胎仔口蓋裂、胎仔発育遅延等)が報告されているので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用します。
  2. ヒト母乳中へ移行することが報告されているので、授乳中の婦人が本剤を使用する際は、授乳を中止しましょう。

ニューキノロン系抗菌剤  よく使われる表現 … 「カビの繁殖を抑える薬」

抗生剤と同様に多くの細菌に対して有効です。産婦人科では主に膀胱炎・骨盤腹膜炎などに対して内服薬を使用します。クラミジア感染症に対しても有効なものが多く、下記の薬はすべてクラミジア感染症の治療に用いられます。胎児への安全性が確立していないため妊娠中の方には使用しません。

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【製品名】 クラビット (第一製薬)  剤形(錠)

一般名レボフロキサシン錠
識別コード(包装)@CV 100:@723 100(本体)@ 723

【禁忌】:(以下に該当する方は、使用してはいけません)

  1. 本剤の成分又はオフロキサシンに対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
    (但し、妊婦又は妊娠している可能性のある炭疽の婦人等の重篤な疾患に限り、治療上の有益性を考慮して投与する)
  3. 小児等
    (但し、小児の炭疽等の重篤な疾患に限り、治療上の有益性を考慮して投与する)

【副作用】

内服は発疹、かゆみ、不眠、めまい、頭痛、しびれ、けいれん、吐き気などを起こすことがあります。また血小板減少などの血液障害、間質性肺炎、急性腎不全や間質性腎炎、まれに劇症肝炎の報告もあります。感染菌が薬に耐性の場合には、よく効かないばかりか、副作用も出やすいので、注意が必要です。高齢者では、作用が強く出すぎる傾向があります。またある種の消炎鎮痛剤と併用した場合、けいれんを起こしたという報告もあるので、消炎鎮痛剤を処方されている場合には、そのことを医師に話してください。ニューキノロン系抗菌剤の共通性として、脱力感・筋肉痛、とくに強いときには筋肉障害が起こることがあります。点眼液では眼の刺激感、かゆみ、発赤などの過敏症が主なものです。

【注意】:(妊婦・産婦・授乳婦等への使用)

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には使用しません。
    [妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]
  2. 授乳中の婦人では本剤使用中は授乳を避けましょう。
    [オフロキサシンでヒト母乳中へ移行することが報告されている]
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【製品名】 スパラ (大日本製薬)  剤形(錠)

一般名スパルフロキサシン錠
識別コード(包装)○332 100mg:100mg(本体)○ 332:100

【禁忌】:(以下に該当する方は、使用してはいけません)

  1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. QT延長のある患者(先天性QT延長症候群等)
    [心室性不整脈を起こす恐れがある]
  3. 次の薬剤を投与中の患者:ジソピラミド投与中、アミオダロン投与中
  4. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
    (但し、妊婦又は妊娠している可能性のある炭疽、妊婦又は妊娠している可能性のあるブルセラ症、妊婦又は妊娠している可能性のあるコレラ、妊婦又は妊娠している可能性のあるペスト、妊婦又は妊娠している可能性のある野兎病、妊婦又は妊娠している可能性のあるQ熱の婦人に限り、治療上の有益性を考慮して投与する)
  5. 小児
    (但し、小児の炭疽、小児のブルセラ症、小児のコレラ、小児のペスト、小児の野兎病、小児のQ熱に限り、治療上の有益性を考慮して投与する)

【副作用】

過敏な人では、ときに胃の不快感、吐き気、腹痛、発疹、頭痛、めまい、光線過敏症があります。非ステロイド性消炎剤と一緒に用いると、ときにけいれん発作を起こしたという報告もありますので、服用もしくは処方されているときは、そのことを医師に知らせてください。また、脱力感・筋痛が強いときも医師に知らせてください。アルミニウム、マグネシウム含有の制酸剤、鉄剤、カルシウム含有剤と併用すると本剤の吸収が阻害されることがあります。ジソピラミドなどとの併用で不整脈、血小板減少、腎障害といった重大な副作用の報告もあります。

【注意】:(妊婦・産婦・授乳婦等への使用)

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には使用しません。
    [妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]
  2. 授乳中の婦人が使用する場合には、授乳を中止しましょう。
    [母乳中への移行が報告されている]

血小板減少、急性腎不全、肝機能検査値の高度上昇、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)、QT延長、アキレス腱炎・腱断裂等の腱障害などの副作用があらわれることがあります。異常が感じられた場合には、使用を中止して担当の医師に相談しましょう。

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【製品名】 オゼックス (富山化学工業)  剤形(錠)

一般名トシル酸トスフロキサシン錠
識別コード(包装)○218 150mg:150mg(本体)○ 218

【禁忌】:(以下に該当する方は、使用してはいけません)

  1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
    [妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]
    (但し、妊婦又は妊娠している可能性のある炭疽、妊婦又は妊娠している可能性のあるコレラに限り、治療上の有益性を考慮して投与する)
  3. 小児
    [小児等に対する安全性は確立していない]
    (但し、小児の炭疽、小児のコレラに限り、治療上の有益性を考慮して投与する)

【副作用】

発疹、かゆみ、光線過敏症、ときに間質性肺炎などの過敏症状、胃の不快感、食欲不振、吐き気、下痢、大腸炎などが起こることがあります。またけいれん、意識障害が起こることがあり、強い脱力感、筋痛のときは筋肉障害のおそれがあります。アルミニウム、マグネシウム含有の制酸剤、鉄剤、カルシウム含有剤との併用すると本剤の吸収が阻害されることがあるので注意してください。

【注意】:(妊婦・産婦・授乳婦等への使用)

  1. 妊娠中の使用に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には使用しません。
  2. 母乳中への移行が報告されているので、授乳中の婦人が使用する場合には授乳を中止しましょう。