妊娠中、特に注意したい栄養素

大切な栄養素を含む食品

「葉酸」を多く含む食品...

ほうれん草、ブロッコリー、にんじん、キャベツ、さつまいも、大豆、いちご


葉酸は体内での蓄積性が低いので、毎日の摂取を心がけましょう。

「鉄分」を多く含む食品...

動物性の食品、豚レバー、しじみ、あさり、小松菜、ほうれん草、ひじき(乾燥)、切り干し大根 など

鉄分の吸収を助ける食品群
【ビタミンC】
ほうれん草、小松菜、ブロッコリー、ピーマン、トマト、いちご、レモンなど
【ビタミンB12】
レバー、卵、チーズ、青魚(まぐろ、さけ、いわし等)
【タンパク質】
まぐろ、かつお、納豆、大豆、いわし、牛・豚もも肉、レバー
葉酸も鉄分の吸収を助けます。
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「カルシウム」を多く含む食品...

プロセスチーズ、牛乳、プレーンヨーグルト、しらす、小松菜、高野豆腐、ひじき など

カルシウムの吸収を助ける食品群
【ビタミンD】 しいたけ、ウナギ、カツオ、鰯、卵黄
日光浴もビタミンD3の合成を促すので、カルシウムの吸収を助けます。
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「食物繊維」を多く含む食品...

野菜ほうれん草、れんこん、かぼちゃ、ブロッコリーセロリ
芋類サツマイモ、こんにゃく
果物プレーン、バナナ、リンゴ
きのこしいたけ、しめじ、キクラゲ
海草わかめ、こんぶ、寒天、ひじき
大豆、小豆、おから
干物切り干し大根
穀物玄米
野菜は少しでも量を多く摂るために、ゆでるなど工夫をして食べましょう。
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外食したときに気をつけたいこと...

外食の場合には、塩分の摂りすぎや、タンパク質・糖質が中心の食事になりやすいので、塩分の排出を早めるために、次のような事を心がけましょう。
サツマイモ、バナナ、ほうれん草、納豆などカリウムを多く含む食品や食物繊維の多いものを食べるようにしましょう。

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葉酸不足と貧血

そもそも『葉酸』ってどんなもの ?

名前の由来は「フォリウム」という『葉』を意味するラテン語からきており、その名の通り植物に多く含まれています。タンパク質の代謝や、遺伝子のもととなる核酸(DNA)の合成に欠かせない成分です。ビタミンB群に属し昔はビタミンMと呼ばれていました。ビタミンB12の造血作用を補助していて、不足すると貧血を起こしやすくなります。また妊娠早期に不足すると神経管閉塞症などの先天性の病気を持った子供が生まれるリスクが高まります。
葉酸は体内貯蔵量に比較して必要量が多いため、厚生労働省では妊婦や妊娠を予定している女性に対し、サプリメントでとることを推奨しています。日本人成人の1日当りの推定平均必要量は、男女とも200μg。妊婦370μg・授乳婦280μgとなっています。

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葉酸が不足すると ?

体のなかで葉酸が少なくなると…
・ DNAの合成障害が原因で悪性の貧血がおこりやすくなります。
・ 食欲がなくなったり、口内炎や下痢などの症状がでたりします。
・ 妊娠中に減少するとつわりがひどくなります。
また、その他の葉酸不足では、心血管系疾患(狭心症・心筋こうそく・脳こうそく)、脳卒中、末しょう神経障害、抑うつ・アルツハイマー、結腸ガン・白血病の発症リスクが高まります。

妊婦の葉酸不足は要注意
妊娠の初期(約4〜12週)は、胎児の細胞分裂がとても活発な時期であり、もしもこの時期に葉酸が不足すると、おなかの中の胎児に影響が出るリスクが増加します。代表的な影響として、胎児の脊椎が2つに分かれてしまう二分脊椎(にぶんせきつい)に陥ってしまいます。
食事から葉酸を摂取するには、ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜やレバーなどで摂ることができます。しかし、水に溶けやすく熱に弱い性質のため、例えば白菜に含まれる葉酸の量を、生の状態と10分煮た後とで比べると、わずか10分の1にまで減少してしまいます。日本人(成人)が必要とする1日あたりの葉酸の摂取量は200μgで、これを仮に“ほうれん草”で摂ろうとすると約1.6束と量的にかなり難しいものになります。近年、女子大生を対象に行われたアンケートの結果では、葉酸が十分に摂れている人は全体の35%。さらに、妊娠前〜妊娠初期に必要とされる摂取量(400μg)が摂れていたのは、157人中わずか2人という結果でした。そのため、厚生労働省も2000年にサプリメントを使ってでも、葉酸を摂取する様に呼びかけています。
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現代に生きる私たちにとっての葉酸とは...

葉酸は妊婦にはとくに必要とされていますが、妊婦でなくても葉酸は重要と考えられています。
一例としては1998年2月4日付でニューヨークタイムズ紙に記載された記事で、多量にビタミンBを摂ることによって女性の心臓発作の危険が半減するという研究報告が掲載されました。このビタミンBの中でとくに注目されたのが、ビタミンB6と葉酸でした。そして、ビタミンB6と葉酸を多量に摂取して、1日1杯のペースを守り飲酒をした状態では、心臓発作の危険性が75%低下したということです。この要因はビタミンB6や葉酸に、血液中のアミノ酸ホモシステイン濃度を下げることで血液の流れをスムーズにさせる働きがあるからといわれています。

「カルシウム」の食事摂取基準変更について
「食事摂取基準」とは、ビタミンやたんぱく質などのさまざまな栄養素について、1日の摂取目標量や目安量を各年代別に示したもので、妊娠中や授乳期間中には、目安量に加えて摂る必要量を「付加量」として設けています。例えば鉄分の場合では、妊婦で推奨量:+13ミリグラム、授乳婦では推奨量:+2.55ミリグラムが付加量です。
その中で、カルシウムについては2005年4月からの「2005年版」で改訂が行われました。
これは、妊娠中にカルシウムを多く取っても大部分が尿中に排出されてしまい、骨量を増やすことにならないことなどが判ったためで、以前のものでは「付加量」が妊婦で+300ミリグラム、授乳婦は+500ミリグラムでしたが、「2005年版」ではいずれも「+0」となりました。18〜29(歳)で700ミリグラム、30〜49(歳)では600ミリグラムを目標として摂取するように心がけることが重要です。
同基準の策定委員で、東大大学院の福岡秀興助教授(産婦人科学)は、どちらかといえば、妊娠の前と授乳期間終了後にカルシウムをたくさん取るように心掛けるべきだと述べています。しかし、カルシウムは性別・年代に関係なく、慢性的な不足も指摘されています。新しい摂取基準で、8歳から17歳までの目安量を従来の1.2倍から1.4倍に増やしているのもこのためです。