男性不妊

日本では昔から、不妊の原因は主に女性にあると考えられてきました。江戸時代の書物「女大学宝箱」(貝原益軒)の一節に「嫁して三年、子無きは去る」とあるように、『不妊』は女性だけを苦しい立場に立たせてきた歴史があり、その傾向は現在でも多く見られます。
しかし、実際には「不妊に悩むカップルの半数以上が男性の側にも問題がある」ということが最近の調査でわかってきました。

男性不妊の原因 …ほとんどが「原因不明」

近年、世界的な規模で男性不妊が増えていると報告されています。
要因として、「さまざまな環境ホルモン過度のストレスが影響しているのではないか?」と考えられています。基本的に「妊娠」における男性の役割とは、十分な数の元気な精子を、タイミングよく女性の膣内に送り込むことだけです。
そのため、男性不妊の原因は以下のどちらかの場合になります。

  1. 精子自体または、精子を作る機能自体に問題がある。
  2. 射精障害や勃起障害などの性機能自体に問題がある。

精子自体に問題がある場合、痛みなどの自覚症状は全くありませんので、不妊そのものの原因確定を遅らせる要因になります。ですから、まずは「精液検査」を受けることが重要です。
WHOの基準では、1回の射精量が2ml以上、精液1mlあたりの精子の数が2000万個以上、運動率50%以上、奇形率15%以下を正常としています。
この基準に達しない場合、男性不妊と診断されます。

精液の異常... 見た目では判断できません。

正常な精液には1mlあたり2000万個から1億個の精子が存在しています。
1回の射精で出る精液の量は正常な人でおよそ2ml以上。精液1mlあたりの精子数が2000万個未満の場合、「乏精子症」とされます。
乏精子症のほとんどが原因不明ですが、稀に「精索静脈瘤」という病気が原因となっていることもあります。
この病気は、静脈瘤が睾丸の周囲にできることで睾丸の温度を上昇させ、精子数が減少するもので、手術によって治すことができます。

無精子症と精子無力症...

無精子症とは、精液中に精子が存在しない状態を言います。染色体異常のため、先天的に睾丸が精子を作れない場合もあります。
精子無力症とは、プロラクチンの数値が高くなり、精子の運動率が低下する状態を言います。市販の胃薬を常用することで起こることがあります。

精子の運動率が低下する原因とは...?

精巣内では元気な精子がなぜか副睾丸に移行すると運動率低下を起こすことがあります。
これはアレルギー有病者に多く見られ、「精子自体を異種タンパクと誤って認識をしてしまうためではないか?」とも言われています。